1962(昭和37年)/5/27公開 85分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12756
配給:東映 製作:東映
旅先の北陸山中温泉で恋人そっくりな女性にめぐり合った社会部記者が、その女の正体を追ううちに意外な事件の核心に触れ手いく。行動的な青年記者の現代に挑むミステリー野心作。
昭和新聞の記者・杉公太郎が遠く北陸の山中温泉に白木波恵の父を尋ねたのは、他ならぬ波恵との婚約の内諾を得るためだった。地方の資産家で旅館「東山荘」の経営者である父・白木豊は快く杉の申し入れを受け入れた。そんなある日、杉は社会部の同僚の曾根に誘われて行ったバー「しろがね」の女給・増田和子が波恵と瓜二つだったことに記者意識を少なからず刺激された。杉が調べると、和子は一年半前に山中温泉で新宿大矢根組に関係の深い金融業者、依田京太郎と心中未遂事件を起こしていたことが分かる。ますます疑念にかられた杉はバー「しろがね」に赴き、和子に近づく。和子は酔うと杉に激しく当たり散らす一方、次第に杉に心を募らせていくのであった。そんな折、和子の身元調査結果が札幌支局から杉の元へ届いた。和子は波恵の父と女中との間に産まれた私生児で、和子の母は和子が12歳のときに、関係のあった依田京太郎に捨てられ北海道の登別で投身自殺したのだ。驚いたことに和子と波恵は異母姉妹だったのだ。そんな折、和子が熱海で投身自殺をしたという新聞記事を杉は目にする。疑いを持った杉は更に激しく和子の行方を追った。そんな杉に波恵は「もうこれ以上和子に関する取材をすることはやめて」と懇願するが、真実をどこまでも追究する杉の新聞記者根性をひるがえすことはできない。やがて杉は横浜に隠れていた和子をつかまえ、真実を聞きだす。その真実とは…。