1962(昭和37年)/11/2公開 95分 カラー シネマスコープ 映倫番号:12975
配給:東映 製作:東映
子母沢寛の傑作小説を映画化。腐敗した政治を正し親の仇を討つお坊主天狗こと番匠谷吉三郎の活躍を、華やかな大江戸を舞台に絢爛多彩な人物の登場を織り混ぜて描く。
江戸の名物男で本所化け物屋敷の主・お坊吉三こと番匠谷吉三郎は、元はれっきとした千石取りのお旗本。しかし、去る三年前、主君本多越中守の凶刃に非業の最後を遂げた父・蔵人の無念を晴らさんものと今では禄も捨て仇討本懐の機をうかがっていた。その越中守は今を時めく老中の一人。悪政の限りを尽くして江戸市民の怨嗟の的となっていた。吉三郎を慕う辰巳の売れっ子芸者・小鶴を通じて越中守一派の悪事の数々を知った吉三郎は、私怨とは別に江戸市民の幸せのためにも越中守一派を叩き潰す決意を固める。公儀御用も勤める刀研師・秋葉屋の若主人・新三郎をはじめ、市井の不頼の徒たちも吉三郎の侠気に惚れ込み、越中守打倒の気運が高まった。だが吉三郎らの動静を探り出した本多家の次席家老・荒木均平の心は重かった。吉三郎と均平は、かつては竹馬の友だったが、今では敵味方に別れていたのだ。折も折、越中守が江戸を離れる事になった。好機到来とただちに吉三郎は新三郎の助勢を得て、行列の途上を襲うことにした。だがその動きを察知した均平は、吉三郎らの襲撃の阻止に立ち上がる…。