1963(昭和38年)/1/3公開 83分 カラー シネマスコープ 映倫番号:13027
配給:東映 製作:東映
歌手に憧れる並木久(坂本九)とヤクザに憧れる丹下三吉(ジェリー藤尾)が上京する。ひょんなことから、ヤクザの縄張り争いに巻き込まれ、志に反して久はヤクザの幹部に、三吉はドサ廻りの役者にあいなってしまう。ドンチャン騒ぎを演じた揚句に、凶悪無比なる親分・吉良(ハナ肇)をこらしめる。人気歌手や喜劇人、新進落語家などにぎやかな顔ぶれが揃ったスーパーデラックス喜劇。
東北のある田舎町のチンピラ三吉は、東京の空気吸わなきゃハクがつかねえと弟分の久を無理やり引っぱって豚のひしめく貨車に乗り込んだ。久の手にはトランシーバーが握られ、東京で立派な歌手になってくるからと恋人まゆみと別れを惜しむのだった。憧れの東京に着いた三吉は早速ヤクザ渡世で身を立てようと陣場組を訪れたが、あっさり門前払い。その上、米田という老刑事に説教され、奮起した二人は屋台の焼芋屋を開業した。だが、常連になった夜の蝶の中でも清潔な感じの陽子が久だけに親切にしたことから二人は大喧嘩になった。翌朝、アパートを飛び出してしまった三吉と人違いされた久は、陣場組の子分たちに事務所へ連行され、近く出所してくる大親分・吉良の復讐の身代りとして、シマを預けられる羽目になった。一方、久の後を追って家出して来たまゆみは米田に補導され、家出人の先輩で今は大学生兼女給と健気な生活をしている陽子の下宿に住むことになった。三吉はひょんな事からある三流劇団で働くことになり、今ではなんでも一通りはこなすようになって、座長の娘・ユキ子という恋人も出来ていた。言いたい放題の親分にまつり上げられた久は子分たちに景品買いやダフ屋をやめさせ、ジャズコーラスグループの結成に大わらわ。そこへ出所した吉良が乗り込んで来たが、久の天真爛漫な応対にすっかりお手上げに…。