1963(昭和38年)/3/9公開 92分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13083
配給:東映 製作:東映
昔ながらの任侠に生きるやくざと現代風のドライなやくざとの対立と、やくざの悲哀と人生観に焦点を合わせて凄絶なタッチで描いた、高倉健主演の異色アクション。
花崎市の料亭で、香取組と倉田組の手打ち式が行われた。4年前に倉田組の幹部を刺殺した香取組の代貸・小木曾俊介が出所したのをきっかけに、顔役の岩永が仲裁に入ったのだ。しかし、この手打ちの裏には新設される市民体育館の利権が絡んでいた。香取組の興行権を狙う倉田と岩永が打った大芝居だったのだ。殺気立った手打ち式になったが、種助の貫禄でその場は何とか収まった。4年間のムショ暮らしは、俊介を誠実な男に変えていた。亡き香取組組長の娘である陽子はそんな彼を好ましく思うが、恐喝やイカサマ賭博をことごとく俊介に邪魔された弟分・影山は面白くない。倉田組との争いも激しくなる一方で、香取組の三下・吉が樽詰めにされても俊介は手を出さない。ついには体育館の周りで倉田組が立てた出店に影山たちが殴りこみをかけたことに対し、俊介は影山たちに激しく鉄拳を振りかざすのであった。影山は、県会議員・尾形の囲い者であり自分の情婦でもあった亜矢子をたきつけ、倉田組が体育館のこけら落としにボクシング興行を打つという情報を聞いた。俊介が地方周りの三五郎一座の興行を助けたり、陽子の花屋を開店する一方、影山はさらに尾形と亜矢子の情事を撮影して、それをネタに脅しをかけようとしていた。利権書を手に入れた影山を俊介は許さなかったが、陽子と影山の関係に気付いて逃げるように去ってしまう…。