1964(昭和39年)/4/18公開 93分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13450
配給:東映 製作:東映
あまりにも法に厳しく罪を憎むあまり、自らその枷にはまって身動き出来ぬまま、悪のどろ沼に陥ってゆくベテラン鬼刑事の姿を、ドライなタッチで描いた結城昌二原作の「夜の終わる時」を映画化したサスペンス現代劇。
鬼刑事と異名を持つ菅井は宮坂を恐喝罪で逮捕したのを機に、その情婦・千代と面識を重ね情慾に溺れていった。赤座組代貸の山口はこの事実を握り悠然と悪事を働いていた。しかも、山口がユスった金の半分は千代を通じて菅井の懐に入っていた。菅井は泥沼に落ちこむ自分を意識しながらも山口逮捕を恐れていた。一方、山口と同郷であるという理由で情報を流していると疑いをかけられた徳持刑事は、自らの疑いを晴らすべく単独で捜査を進める過程で菅井に不審を抱くが、菅井に殺されてしまう。菅井の相棒の安田刑事も菅井の行動に不審を抱くが、やがて山口とその弟分である千葉が殺される事態に至り、すべてが菅井の犯行であることをつきとめる。菅井は良心の苛責に耐えられず逃亡生活へと入っていくのだが…。