1967(昭和42年)/4/20公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:14816
配給:東映 製作:東映
舟木一夫が太助と家光の二役で東映京都時代劇初主演、恋人お仲に藤純子、大久保彦左衛門に加東大介、その用人喜内に財津一郎が扮する。他に三島ゆり子、里見浩太郎、小池朝雄、品川隆二らの芸達者を適所に配した豪華キャスト。脚本は中島貞夫と金子武郎。監督は「関の弥太ッぺ」で時代劇ファンを魅了し、その後任侠映画の名匠と名を馳せた英才山下耕作。
左腕に“一心如鏡”の彫物、べらんめえの啖呵も切れば、義理と人情にほろりと参る、江戸っ子の看板背負ったいい男、一心太助。そんな太助にほれ込んだ大久保彦左衛門とは、親分子分の盃を交わす始末に相成った。そんな折、相模屋と勘定奉行川勝は結託し魚河岸の実権を握ろうとしていた。魚の値段は急騰し、庶民には腐った鰯しか回らない。激怒した彦左は、川勝一派の酒宴の席に太助を引き連れ、腐った鰯を売りつけた。だが、将軍家光から「政事への干渉はまかりならぬ」と釘をさされた左彦は肩を落とす…。一方太助は、川勝と相模屋の悪事を知り、天下の一大事とばかりに彦左にご注進に及ぶが、彦左の腰は重く、二人は仲違いしてしまう。彦左から出入り禁止を言い渡された太助は酒に紛れる毎日。彦左もぐっと老け込み病床に臥してしまう。急の報せで太助は彦左のもとに駆けつけ、二人のわだかまりは解けるが、遂に彦左は息を引取ってしまう。太助は仲間達と共に魚河岸を建て直す決心をし、決死の覚悟で殴り込みを掛ける。乱闘の中、駆けつけた松平伊豆守の捕方勢が川勝一派を一網打尽にした。彦左の墓前で家光から褒美をもらった太助は、今日も威勢のいい売り声を江戸の町に響かせた。