2014(平成26年)/9/6公開 124分 カラー ビスタ 映倫番号:119979 G
配給:東映 製作:Team REAL HERO
この映画は、過去40年余りの間、世界中の少年たちが夢中になった『ヒーロー』を生み出すキーパーソンである「スーツ アクター」という、意外と本当の姿を知られていない人々を描いています。多くのスーツアクターたちの共通の夢は、堂々と顔を出して演じる「アクション俳優」に登り詰めることであり、アクション映画の主役を演じること。そんな夢を見ながら、日々アトラクションイベントにも精を出す彼らの奮闘、そして奇跡を描いた作品です。また、本作は何よりもアクション映画やヒーロードラマを影で支え続けてきた多くの裏方や、俳優に対するオマージュをふんだんに含んでいます。スーツアクターの日常と挑戦を描きながら、人知れず黙々と働く人々の夢にまい進する力に、感動を覚える作品、それが『イン・ザ・ヒーロー』なのです。
熱血漢でブルース・リーを崇拝する本城渉(42)は『下落合ヒーローアクションクラブ』の社長兼スーツアクターにして、その道25年の大ベテランである。現在テレビで放送中の『ドラゴンフォー』の主役・ドラゴンレッドのスーツアクターとして、首のケガを抱えた満身創痍の身体に鞭打ちながら、日々、汗を流して仕事に取り組んでいる。同世代の有名俳優や新人アイドル俳優たちとの葛藤を抱えながら、共に夢見る部下のアクター達とアクションヒーローを生み出す撮影現場のキーパーソンであり、少年のココロを持った大人である。ある日、本城に数年ぶりにヒーロー番組の映画版に出演する機会が巡ってくる…が、喜びもつかの間、役は若手の新人俳優に取られてしまう。役を下ろされる事には慣れてはいるものの、今回の新人は人気絶頂の一ノ瀬リョウ(21)。当初、リョウは現場で本城と対立を繰り返しすが、ある事件を境に徐々に理解し合い、仲間意識が芽生え、アクション俳優の訓練を共に積んでいくことになる。スーツアクターの努力の凄さを学ぶリョウ。そして訓練の成果が叶い、リョウはかねてから夢見ていたハリウッド映画『ラスト・ブレイド』への出演をオーディションの末に勝ちとることが出来た。だが、リョウが喜び勇んで臨んだ『ラスト・ブレイド』の撮影現場で、事件は起きた。クライマックスシーンで、大落下し炎にまみれて戦うという映画史に残るノーカットの大殺陣を演じるはずのアクション俳優が、危険を理由に降板してしまい、撮影が続行不可能となってしまったのだ。困り果てたハリウッドの映画スタッフは、日本一のアクション俳優との評判を聞きつけ、本城に白羽の矢を立てる。「日本にはアクション俳優がいない」というハリウッド映画スタッフの声を聞いた時、本城に忘れていた情熱が蘇る。果たして本城は誰もやった事のない危険なアクションを引き受けるのだろうか?そして隠されていたリョウの本当の夢とは何なのか?今の時代に映画に命をかける男たちなんて居るのか?何よりも彼等は正気なのか?それらの答えは全て、この映画のラストにある!