1986(昭和61年)/6/1公開 162分 カラー ビスタ・サイズ 映倫番号:111610 一般
配給:東宝 / 日本ヘラルド映画 製作:ヘラルド・エース / グリニッチ・フィルム・プロダクション
1943年に製作された第1回監督作品「姿三四郎」から数えて27作品目であり、「デルス・ウザーラ」(1975年製作)の公開直後から構想を始め、黒澤監督自ら”ライフワーク”と称した作品。シェイクスピアの「リア王」が原案と言われているが、黒澤監督の言葉を借りれば、「三本の矢の教訓で有名な毛利元就の3人の優秀な息子達、彼らのおかげで毛利はあれだけ栄えたが、もしその誓いを守らなかったらどうなるか」という発想が3人の娘を持ったブリテンの老王リアの悲劇に結びつき、この作品は生まれた。 豪華なキャスト陣、黒澤組のベテランスタッフたちと共に、人間の持つ業や、どうしても切り離せない人間の悲劇を天からの視点で描き、黒澤映画芸術の集大成を築き上げた。
戦国を生き抜いた猛将が、ある日突然引退宣言をし、自分の地位や財産を3人の息子に譲るところから物語は始まる。本来ならば息子達は立派に父の意思を継ぎ、父親も安泰のうちに老後の隠居生活を送れるのであろうが、そううまく物事が運ばないのが世のならい。やがて息子達は父親をないがしろにして血で血を洗う肉親同士の争いへと発展していく・・・。