1953(昭和28年)/8/19公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
「ひばり捕物帖 唄祭り八百八町」に次ぐ美空ひばり主演映画で、山内久、馬場当の脚本を、ひばり映画とは馴染深い瑞穂春海が監督している。撮影は布戸章、音楽は万城目正、美空を中心に日守新一、藤乃高子、川喜多雄二、草間百合子、望月優子、多々良純、中村正紀などが出演。
東京下町のある新制中学教員田辺真二郎には光子と瞳の二人の娘があった。瞳は父の中学の級のリーダー格で間近に迫った修学旅行やパンフレット製作に励んでいた。田辺は老教員で生活苦や婚期の光子の行く末など心痛が多いが、明朗な瞳を囲んでその家庭は明るい。しかし昔の教え子の不良の阿久津に同情して生徒達の旅行積立金を用立てた事から窮地に陥る。かねて光子に好意を寄せていた作家志望の若い教師益本は田辺の罪を着て辞職し郷里へ帰るが、誠実小心な田辺もまた辞職する。この事件以後瞳は級友に白眼視されるが、金八や大助の協力で働き家計を助ける。瞳を歌手にしようとしている義弟の池田から瞳の行動を聞いたり、光子の友達、後藤PTA会長の娘冽子が結婚すると聞いた田辺に、焦燥の日々が続く。待望の修学旅行へ行った瞳は帰途金八の家で、阿久津から例の事件の真相を知り、阿久津は後藤会長にも真相を語る。かくて田辺は後藤の会社への入社が決り、折柄上京した益本から光子への結婚の申込みもあって、田辺家の明け暮れはやがて旧に復すようだ。