1958(昭和33年)/10/7公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
東京・有楽町の新名所フードセンターに舞台をとる風刺喜劇。川頭義郎が監督する。松山善三・勅使河原宏・川頭義郎のオリジナル・シナリオ。撮影は荒野諒一。主演は瞳麗子(主演第一回)、脚本執筆の勅使河原宏(映画初出演)、高橋貞二、渡辺文雄など。
バー“OK”が有楽町0番地、フードセンターの地下街に開店したが人気はない。マダムの流さき子はフードセンターの人気者、小さな菓子店のレジの小川正子に目をつけ引き抜く。ボーヨーとした街の詩人、路地は彼女のイメージで詩を書き、駅で詩集を売っていた。“OK”は正子をスカウトして以来、繁盛した。常連にはBBTVのアナウンサー・神部や、0番地のフードセンターをめぐる利権争いで対立する宮城区代表・三木、中心区代表・矢代などがいた。地下鉄サムは正子がレジをやっていた頃からの知り合いで、売子の金子と恋仲だった。彼は正子から店の金庫のありかを聞き出すために“OK”に通った。犬猿の仲の三木・矢代はどちらも政界のボス・黒洲を味方にして利権を握ろうとしていた。正子は路地と知り合い、彼の純な心に共感する。詩集を売るのを助け、彼の詩を朗読したりする。ある夜、店が終わった後、正子が忘れ物を取りに戻ったとき、サムが金庫の金を奪って立ち去ろうとしていた。「お前も共犯だぜ」今まで正子が問われるままに話したことが、ぜんぶ犯行に役立ったからというのだ。サムが金を渡そうとするのをよけたはずみに、正子は非常ベルにふれてしまう。サムは捕まり、正子の“美談”が新聞に出た。正子は困った。金子から殴られたのも無理もないと思った。マダムが売り込み、神部は正子を自分の担当の善行美談の番組・「ここに泉あり」に出演させようとしていた…。