1961(昭和36年)/1/28公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
池田博が自らの脚本をもって監督するアクション・コメディ。撮影は中島信雄が担当している。
大友太郎は、大友コンツェルンの会長虎之助の一人息子。彼はナイトクラブの歌手ピンキイ・山下に首ったけで、見合いをさせようという虎之助の意見など聞こうともしない為、遂には勘当されてしまう。金の切れ目が縁のきれ目とばかりにピンキイには振られ、なじみの芸者ぽん太にまで素気なくされ、おまけに住んでいたアパートまで坦保にとられる始末。暴れた太郎は警察に留置され、弁護士の尽力で釈放されたが、大男に脅かされ宣伝カーに放りこまれた。荒野に置き去りにされた太郎は、彷徨い歩き、やがて娘に出会い、東京のチベット地帯であることを教えられた。娘は晴子といい、猟師の金作爺さんとの二人暮らし、近くのダム工事場で飯場の手伝いをしている。太郎はその家に世話になることになった。一方、虎之助は東京附近の山中にダムを建設中なのだが、その工事計画が三急電鉄のバス道路建設地と重なってシノギをけずっている最中だった。太郎は山裾の酒場で、亀と飲みくらべをしていたが、殺し屋の熊たちに喧嘩を売られた。彼らはバス道路工事の兼政組の人夫である。兼政組と乱闘となった。翌日、亀が行方をくらました。彼は兼政組のスパイだったのだ。太郎は自分の働いている所が父の会社のダム工事場であるのを知った。金作爺さんは虎之助の古い部下で、太郎がここに連れ出されたのも親心の計らいだったのである・・・。