1962(昭和37年)/6/15公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
藤原審爾原作を吉田喜重が脚色・監督した文芸もの。撮影は成島東一郎が担当している。
昭和20年の夏、岡山県の山奥の温泉場、秋津荘の娘新子は、河本周作を自殺から救った。周作は東京の学生だが、暗い時代に絶望し、体は結核に冒され、岡山の叔母を頼ってやって来たのだった。新子と周作の関係はこれから始まった。それから3年、周作は再び秋津にやって来た。荒んだ生活に蝕まれた体の療養だが、岡山の文学仲間と酒を飲み歩き、しまいには新子に「一緒に死んでくれ」と頼んだ。そんな周作に惹かれる新子は、二人で心中を図った。しかし、新子の余りにも清い健康な心に周作は、生きることの美しさを取り戻し帰っていった。昭和26年
毎日映画コンクール女優主演賞(岡田茉莉子)