1964(昭和39年)/6/7公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
水川淳三と南豊太郎が共同でシナリオを執筆、水川浮三が監督した人情もの。撮影は堂脇博が担当している。
古田みゆきは、小学校教員の父と、友達のような優しい母の静江、そして兄の洋にかこまれて、幸せな毎日を送っていた。みゆきは、静江が気がつかない間に大人の世界に目をむけるようになった。近所の金沢さんの奥さんの出産間近いお腹を見ては疑問に思ったり、自動車会社につとめる井上が、隣の千恵姉さんを秘かに愛しているのも知っている。 みゆきは、学校の成績がいいのでたまには、親友のチビッコの宿題も見る。チビッコは、子供に理解のない家庭に育っている、劣等児なのだ。その頃、みゆきは、初潮をみた。不安におそわれるみゆきに、静江は優しく説き聞かせた。真夏のある日、静江は、千恵の母好子にすすめられて、区民水泳大会に町内代表として出場した。昔、静江は、水泳の選手だったのだ。だが静江は脳出血で水からあがると昏睡状態となって死亡した。優しかったおかあさんを亡くしたみゆきと洋は、おかあさんのばかと泣き続けた。長田先生も、井上も、誰でも悲しみをのりこえて生きてゆかなければならないと言って聞かせた。その後井上は、南米の新工場に赴任することとなった。千恵にプロポーズしたがすでに、千恵は婚約しており、井上は寂しく旅立っていった。チビッコも、両親の離婚で、母親にひきとられて東北の片田舎に去った。さびしさのすっかりとれたみゆきは、六年生になって、今日もクラス委員として、主婦がわりとして、たくましく成長していた。