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自動車会社の第一販売課員「イモさん」こと井本宏は、勤統30数年という古参社員だが、いまだに販売係の主任だった。しかし、人の面倒見はよく、部下から慕われ尊敬されていた。そしてイモさんは数年前に妻を失い、今では一人娘真理と二人きりの生活をしていた。そんなイモさんの販売課に5人の新入社員が入社してきた。文学青年で語学が堪能な滝正之、ハッスル・ボーイ砂川量平熱血漢船尾昌和、スピード狂の北中寿夫、それに社長の息子でありながら、一介のサラリーマンとして働くという雨宮修二である。そんなある日イモさんは、忘年会の会場で、新社員を前に「おれのコーチを受ければ、3年で係長にしてやる、もし出来なければ1ヵ月の給料をかけよう！」と宣言をした。やがてイモさんのコーチで5人の社員の特別強化訓練が開始された。そんなときイモさんの同僚で定年を目前にした犬飼市郎が、社長雨宮のはからいで課長に昇進した。が、いざ課長になってみれば、責任が重くなるだけで、仕事は面白いものではなかった。サラリーマンに失望した犬飼は、妻の貞子を捨てて、昔の愛人宇多子のアパートに200万円の持参金を持ってころがりこんだ。そこへ犬飼と同じ境遇の柳風吉が飛び込んできた。二人は意気投合し、三人の奇妙な生活が始まった。一方イモさんは、ある日社長の弟で販売課長をしている中岡仙三郎が、会社の秘密書類を持ち出そうとしているのをみつけ、意見したあげく殴りたおしてしまった・・・。