1965(昭和40年)/8/7公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
桜井義久がオリジナル・シナリオを執筆、市村泰一が監督した歌謡ドラマ。撮影は小杉正雄が担当している。
水上スキーやモーター・ボートを製作しているリズム・モータースの宣伝部員今村哲也は、今年も水上スキー、モーター・ボートの指導に葉山へやって来た。一緒に来たのは新入社員の小柴秀子であった。親切に仕事の注意をする哲也に、秀子は強い興味をもち、哲也に初めての葉山の夏を話して欲しいとせがんだ。哲也が初めて葉山に来た時の最初の客は武田みどり、君代、ひろ子、道子の四人であった。わがままで、勝気なみどりは、哲也を使用人のように乱暴に使った。自由奔放に遊びに熱中するみどりだったが、哲也には勝つことが出来なかった。そんなみどりに哲也は、ダンスや水泳などの遊びは、楽しむことが目的で、人に勝つことではなく人間の価値には無関係だと説いた。頑ななみどりの心も哲也への愛情の前に崩れていった。だがみどりは哲也にとって、遠い高嶺の花であった。またある年には清楚で気品にあふれた平山志津子の思い出も忘れがたい。一人で葉山マリーナにやって来た志津子と楽しい毎日を過した哲也は、心なしか寂しそうな志津子の、生活の影を見た。志津子は金子吾郎というボスの情婦であった。貧しい志津子は病身の母親と二人、吾郎に面倒をみてもらっていたのだ。力なく吾郎の背に泣きくずれて去っていった志津子の面影を哲也は忘れられなかった・・・。