1965(昭和40年)/8/7公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
柳井隆雄と元持栄美が共同でシナリオを執筆、八木美津雄が監督した青春もの。撮影は平瀬静雄が担当している。
夏川啓一は海沿いの小さな町に住む高校生。父守之助は、病身の母をほったらかして、妾の景子を囲い、そのうえ女性の味方と称して市会議員選挙に立候補していた。そんな父守之助に反抗した啓一は、景子を脅迫し、さらに新聞記者の土岐門太に父と妾のスキャンダルを売り込んだ。一方、高校ではクラスメートの沖津香澄が啓一に好意をよせていた。香澄の家は父良造が病気でたおれ、香澄は母なみを助けてアルバイトをしていたが、成績は抜群で大学進学を目ざしていた。そんな二人を担任教師堀川蓉子はあたたかい眼で見守っていた。ある日、啓一は新任の校長大貫の成績公表の方針に反対し二日間の停学処分を受けた。この騒動で、啓一の人気はますます高まり、啓一に想いをよせる積極的なタイプの梓英子は、海に啓一を誘い誘惑した。しかし香澄を心から愛する啓一は英子を相手にしなかった。また啓一の先輩、門太は蓉子先生にほのかな慕情をよせていたが、てれやの門太は自分の気持を打ち明けられないでいた。そして夏休みも過ぎたある日、大事件がもちあがった。香澄の兄孝が勤め先の工場から、30万円を持ち逃げしてしまったのだ。これを知った啓一は香澄一家を救けようとクラスメートを集めアルバイトを始めた。だが収益は30万円にはとてもおよばなかった。そんな時、別れたはずの景子が再び守之助のところに電話をかけてきた。これを知った啓一は父親、守之助の弱みにつけこんで30万円を出してもらうことに成功し・・・。