1968(昭和43年)/3/1公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
才賀明がシナリオを執筆し土居通芳が監督した青春もの。撮影は平瀬静雄が担当している。
日本自動車の社長・津田の次男・弘は、毎日のように会社のスピードテスト場に来ては、猛スピードで車を走らせていた。ある日、そんな弘を誰もとがめようとしなかったが、テストドライバーの猪木だけが弘の横暴を責めた。怒った弘は猪木にレースを挑んだが、惨めな敗北を喫してしまった。それ以来、弘は猪木を抜くため、本気になってレーサーとしての腕を磨き始めた。弘には出生の秘密があった。今の母・三技の子ではなく、津田が昔、女事務員に生ませた子だった。そして、猪木の恋人で美容院をやっている規子は弘の実の姉だったのだ。猪木はそれを知ってはいたが、弘には黙っていた。そんなことは知らない弘は、自分を子供扱いにする父に反発して家を飛び出し、ライバル会社ジャガー自動車の社長令嬢伶子と親しくなった。そんな時、米国製スポーツカーの日本販売権を獲得した日本自動車と、国産スポーツカーを同時期に売り出すことになったジャガー自動車との間に、スピードテストが行なわれることになった。日本自動車は猪木が、そしてジャガー自動車は自力で試乗資格を手に入れた弘が、それぞれ新車に乗りこむことが決まった。猪木は規子の妊娠を知ってテストが終ったら結婚しようと約束して車に乗ったが、義弟になるかもしれない弘と争うことに、気が重かった。その猪木が、最後の一周という時に思わずハンドルさばきが鈍ったのはそのためだったかも知れない。猪木の車は柵に激突、炎上した・・・。