1970(昭和45年)/8/26公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
ハナ肇のヒット曲の映画化。脚本はジェームス三木、監督は脚本にも参加している野村芳太郎。撮影を川又昂が担当している。
上州。国定忠治直系の正統派やくざ、黒岩組の親分黒岩忠太郎は、新興愚連隊竜政会にシマを荒らされ、そのあまりのあこぎさに堪忍袋の緒が切れて殴り込みを決意した。あわや血の雨が降るというときに名もない旅烏で兇状持ちの坂東為五郎が、一宿一飯の恩義とばかり、保釈中の身であることも忘れ颯爽と仲裁を買って出た。死を覚悟の為五郎は、将来を誓いあった半玉の千代を弟分の赤城三六に頼み、死地に赴く。そして10年後。ムショ暮らしを勤め上げて来た為五郎は、赤城に向う列車の中で10年前の迷想に耽っていた。駅前には黒岩一家が総出でお出迎えと意気揚々と下車してみれば、無人の巷。年移り人変わり、かつての上州の名門黒岩組も、黒岩不動産と看板を変え組長から社長にイメージ・チェンジした黒岩忠太郎にとって今さら為五郎など迷惑な存在でしかなかった。途方に暮れた為五郎は弟分の三六を赤城屋旅館に訪ねるが、かつての恋人千代が三六の女房となり、赤城屋を切り盛りする女将であることを知り落胆する。一方為五郎が10年前に刺した竜政会の親分寺部仙吉は、生き永らえて今や市会議員となり、黒岩とも和解し三六の赤城屋旅館を買収して十階建ての超デラックスなホテルを建てようと目論んで、三六夫婦を脅迫していた。その頃為五郎は昔なじみの女花子にめぐり逢い、その子勘太に父親と慕われ可愛がっていたが、どうしても千代への未練が断ちきれず、三六夫婦を寺部仙吉の手から救い出すが・・・。