1971(昭和46年)/1/15公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
「なにがなんでも為五郎」に続く「為五郎」シリーズ第3作。脚本は加藤泰と監督の野村芳太郎による共同執筆。撮影は川又昂がそれぞれ担当している。
ここは甲州鰍沢という小さな観光地。目抜き通りをダンプカーのごとく子供を担いで疾走、診療所に飛び込んだのが人呼んで人斬り為五郎こと坂東為五郎である。昔馴じみの女・花子に、勘太を押しつけられたお人良しの為五郎は、勘太を自分の子として育てる決意で旅に出たのだが、途中で勘太がぶっ倒れたのである。やっとのことで診療所にかつぎ込んだが、医者に空腹と栄養失調が原因だと叱られ、為五郎は大いに反省し、勘太を学校に入れて、まともな人間に育てようと新たな決意をするのであった。為五郎は勘太を背負い、はるか富士山まで通じる観光道路の建設現場へと働き場所を求めていった。そこで為五郎の働いている赤塚土建の隠居鉄平大親分にすっかりその気っぷを惚れられてしまった。そして、鉄平に連れられ、何かにつけて対立しているお蝶一家の縄張りである料亭「花月」で賭場を開いたが、女将の心配通り、女系家族、お蝶一家の初代お蝶、二代目お蝶に殴り込まれ、賭場は大乱闘となった。迎えうつ為五郎の前に、さっそうと現われたのが美人の三代目お蝶である。為五郎は初恋の人お千代そっくりの彼女をみて、ポーッとなってしまう。その頃、為五郎はこの土地に興行に来た女剣劇一座のとりもつ縁で勘太の母親花子と再会したが、勘太の本当の父親が、為五郎の子分の金太郎だと知ると、為五郎は二人をもとのさやにおさめるために、無理に罪を作って刑務所入りしてしまった・・・。