1971(昭和46年)/3/3公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
塩月弥栄子の『喜劇 冠婚葬祭入門』『続・冠婚葬祭入門』をもとに作られた「冠婚葬祭入門」シリーズ第2作。脚本は元持栄美と柳井隆雄による共同執筆。監督は脚本にも参加している渡辺祐介、撮影を荒野諒一がそれぞれ担当している。
南国宮崎。旅館水明荘の番頭・木村三平は、やもめ同志の小料理屋の女将・正子と組んで仲人をしたカップルが数知れず、冠婚葬祭の世話にかけては天下一品の采配をふるうともっぱら評判である。今日も葬儀屋の啓太と、神主の娘有子の第二の人生の門出を祝福したと思ったら、葬式の知らせが入り、お通夜に飛んでいくといった有様である。三平の一人娘美子は川崎と宮崎を結ぶカー・フェリーのスチュワーデスで、浄観寺住職山下幸道の伜・新道と恋愛中だが、やもめの父・三平のことを思うと仲々結婚に踏み切れないでいる。ある日水明荘の団体客にまじって、家出をした息子を探しにきたという老婆が部屋で急死した。新婚客が多いので出棺するのも縁起が悪いと、思案の末、三平は死体を背負って旅館をで、浄観寺に運び込んだ。その葬式の席上、フーテンの俊雄と名乗る男が、女のことで住職を脅迫したが、三平がうまくとりもった。一方、美子は、新道が令嬢風の若い女性と歩いている所を目撃した。それは、新道の母・衣江がひとり息子の嫁にしたいと思っている、浄観寺本山の令嬢・妙子だった。そんな折も折、話をつけたはずの俊雄が浄観寺の本堂で暴れまわっているうちに、旅館で急死した老婆の位牌を見て号泣しはじめた・・・。