1968(昭和43年)/9/18公開 91分 カラー シネマスコープ 映倫番号:15496
配給:東映 製作:東映
ヤクザ映画のパロディ的な作品となった若山富三郎の「極道」シリーズ第3作。舞台を旧日本軍に設定し、時の国家権力と闘う様を痛快に描いている。戦後の日本映画には軍隊の“非人間性”を描いた作品が数多くあるが、これは「任侠映画」の流れの中から生まれた、理屈抜きに気楽にアクションと笑いを楽しめる作品である。
昭和12年、召集令状を受取った島村は、ライバルの榊原一家と大乱闘を演じた後、入営した。暴れ者の島村の名は連隊中に知れ渡ったが、島村は、中隊一の剣の使い手・酒巻に打ちのめされる。酒巻は榊原一家の代貸だったのだ。ある日榊原は島村の留守を狙って殴り込みをかけ、それに酒巻も参加した。しかしいち早く感づいた島村は、榊原の片腕を斬り落した。さらに酒巻に迫った島村は、止めに入った酒巻の妹・千賀子を見て愕然となった。彼女こそ入隊の際、千人針を贈ってくれた人だったのだ。島村は黙って引き下がった。それから1年―。重営倉入り30数回という島村は、転属させられ白県守備隊に入った。暴れ者たちの人気を集める島村を中心に極道部隊が編成されたのである。一方、大陸に渡っていた榊原は吉岡参謀と組み、モルヒネを匪賊に流して私腹を肥やしていた。
「極道」シリーズ(12)