1969(昭和44年)/2/21公開 89分 カラー シネマスコープ 映倫番号:15719 R18
配給:東映 製作:東映
石井輝男監督の“異常性愛路線”第5弾。現代の京都にカメラをすえ、爛れきった異常な愛欲の姿を、息をのむようなシーンの連続で描く。サド・マゾ・ホモ。橘ますみの裸身に刻む、倒錯セックスの世界は凄まじくも強烈。
深畑は染物工場を経営する中年男で、異常性愛者だ。ある日、深堀は酔い潰れたバー「ノン」のママの典子をホテルに連れ込み犯した。深畑には妻も子供もいたが、その日以来、毎日典子の体を求め続け、「結婚しよう」など甘い言葉を囁く一方、典子と客との仲を疑って暴力をふるうようになる。深畑の変態性は更にエスカレートし、タクシーの中で運転手の目を意識しながらの典子とのセックスに異常に興奮するほどだった。また、深畑にはホモの性癖もあり、ゲイバーのマダム由紀の前で全裸になり縛り上げられ、化粧をほどこされ、鞭に打たれてエクスタシーに達するのであった。そんなある日、典子はデザイナーの吉岡と出会う。深畑とは違うまじめな吉岡に惹かれ、吉岡と湖畔のホテルで一夜を過ごした。それを知った深畑は、典子を脅して吉岡のアパートへ向かったが、典子をかばう吉岡に完膚なきまでに殴られてしまう。やがて外国に旅立つことになった吉岡は、典子を誘う。典子はもう、昔のような気の弱い女ではなかった。吉岡の強い愛を受け止める典子の目は深い決意と明るさに満ちていた。