1969(昭和44年)/10/15公開 142分 カラー シネマスコープ 映倫番号:15985
配給:東映 製作:東映
幕末から、明治、大正、昭和10年代にかけて起きた9つの暗殺事件を、血盟団事件を中心にして綴った日本暗殺百年史というべき作品。全篇を通して反体制の純粋で美しいエネルギーに満ち溢れている。
【桜田門外の変】
万延元年3月3日、折からの吹雪をついて水戸浪士、薩摩浪士有村次左衛門ら18名は、江戸城桜田門外にて大老井伊直弼の行列を襲い暗殺。
【大久保暗殺事件】
明治11年5月14日、東京麹町にて石川県士族島田一郎他5名、参議内務卿大久保利通を暗殺。
【大隈暗殺事件】
明治22年10月18日、霞ヶ関外務省正門前にて玄洋社々員来島恒喜が外務大臣大隈重信に投弾。大隈重信は右脚爆砕後切断、来島恒喜は事件直後短刀自殺。
【星亨暗殺事件】
明治34年6月21日、東京市役所参事会議事室にて心形刀流師範伊庭想太郎、東京市会参事星亨を暗殺。
【安田暗殺事件】
大正10年9月28日、大磯天王山「寿楽庵」別荘にて神州義団主幹朝日平吾・安田財閥当主・安田善次郎を暗殺。
【ギロチン社事件】
大正12年9月10日、テロリスト集団ギロチン社々員古田大次郎。摂政官暗殺を計画、資金獲得のため銀行員を襲い殺害で捕えられ死刑。
【血盟団事件】
日蓮宗行者井上日召を中心として結集した一団の民間青年と大学生たちは、国政改革を叫んで一人一殺のテロを計画実行。昭和7年2月9日、本郷駒込小学校演説会場入り口で井上準之助前蔵相を小沼正が、同年3月5日、三井銀行本店正面玄関で団琢磨三井合名理事長を菱沼五郎が襲い、共に拳銃で暗殺した。この事件は後の五・一五事件、二・二六事件と続く昭和初期の国家革新運動の口火となった。
【永田暗殺事件】
昭和10年8月12日、相沢三郎中佐・陸軍軍務局長永田鉄山少将を暗殺。
【ニ・二六事件】
昭和11年2月26日早朝、一部青年将校を先頭にして、兵員民間人併せて1,483名は、首相官邸をはじめとした重臣たちの私邸を襲撃した。一時は事態に驚愕した政府と軍主脳部は決起部隊の主張を聞き入れることを約束したが、一転して奉勅命令を口実として武力弾圧にのりだし、数日を待たずして全て鎮圧された。襲撃を受けた者、死者9名、負傷8名、決起部隊、死刑17名、自決2名。その頃、日本は既に中国と全面戦争に落ち入り、若者たちは次々と戦場に狩り出されていった。