1971(昭和46年)/10/1公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:16904
配給:東映 製作:東映
昭和7年・大阪を舞台に、五分刈り頭に度の強い近眼鏡、短い鉄管をくわえた異様な姿で、悪の化身のような男を演じる若山富三郎。従来の仁侠映画のパターンを破り、悪の塊を全編に織り込んだ異色任侠大作。
昭和7年、大阪三造に井戸万一家という極道揃いの一家が進出して来た。親分井戸万こと黒田万太郎、それに代貸といっても親分井戸万に子供の時に拾われ親分には恩義がある大関勇―。この二人は昔、各組が請負った工事現場を尋ねては、金をゆすり、その金を元手に今の一家を築き、さらに大阪一帯の縄張りを掌握しようと野望をいだいていた。三造は、従来より名門財部一家の縄張りであったが、親分の善兵衛は重病の床についており、後妻のふくとまだ若い実子の健三、それに代貸の江原が家を仕切っているにすぎなかった。そして、日毎財部一家の繩張りは、井戸万一家によって荒されていった。井戸万一家が極道として一家を張っていくためには、名門一家の代紋を借りなければならなかったのだ。そんな事情から一家の実権を握っている大関は健三を拉致し、交渉にのり込んで来たふくを犯して、善兵衛との兄弟盃の約束をとりつけるか、善兵衛はこの世を去ってしまう。兄弟盃をかわせなかったものの、親分亡き財部一家はすでに井戸万一家の思うがままになっていた…。