2000(平成12年)/9/15公開 115分 カラー ビスタ 映倫番号:115886
配給:東映 製作:「長崎ぶらぶら節」製作委員会
永い鎖国時代にも唯一海外との交流があり、文化や生活の全てにおいて今なお異国情緒が漂う街・長崎。かつてこの街には、江戸の吉原、京の島原と並び日本三大花街として数えられた丸山という遊里があった。その丸山に、いまだに人々に語り継がれるほどの数々の伝説を残した一人の芸者がいた・・・。愛八を演じるのは吉永小百合。愛八が生涯で初めて本当の恋を見出した相手でもある古賀十二郎役には渡哲郎。なかにし礼のを原作を「異人たちとの夏」の市川森一が脚本を執筆。監督は「夢千代日記」「あ・うん」等数々の名ドラマを手掛けた深町幸男。
異国情緒漂う長崎は丸山に愛八という芸者がいた。貧しい漁村に生まれ、十歳の時に奉公に出て、早くも40年近くが過ぎようとしていた。愛八は丸山でも五指に入る名芸者で、こと歌と三味線に関しては長崎一といってもよかった。男まさりで気っぷもよく、貧しい辻占売りの少女や関取前の若い力士にも身銭を切って世話を焼くため、暮らしは決して豊かではなかったが、誰からも愛されていた。そんな愛八に、運命的な出会いが訪れる。五島町の大店「万屋」の十二代目で長崎一の学者・古賀十二郎。ある日の夜、偶然愛八の歌を耳にした古賀が、その歌の才を見込んで突然の提案をする。「なあ愛八・・・おうち、おいと一緒に長崎の古か歌ば探して歩かんね」はじめは耳を疑い、ただ戸惑うばかりの愛八だったが、金にもならないし、名誉にもならない仕事とはいえ、こんな自分を必要として人がいること、なにより愛しい古賀と一緒に長崎中を旅して歩けることが、うれしくてたまらなかった。何年かかってもいい、長崎中の歌を2人で集めたい・・・いつしか愛八の心にはそんな思いが生まれる。しかしその旅の途中で出会うある一曲の古い歌が、その後の人生を大きく変えることに、この時愛八はまだ気がつくはずもなかった。
第24回日本アカデミー賞(優秀脚本賞・最優秀主演女優賞・優秀助演女優賞・優秀音楽賞・優秀撮影賞・優秀照明賞・優秀美術賞・優秀録音賞・優秀編集賞)