2003(平成15年)/4/5公開 80分 カラー ビスタ 映倫番号:116599
配給:東映 製作:「わたしのグランパ」製作委員会
第51回読売文学賞小説賞を受賞した筒井康隆の同名小説を「サード」「絵の中のぼくの村」の東陽一監督が映画化。「どこで生きようがこの世は囹圄(れいぎょ=牢獄)」主人公であるムショ帰りのグランパの達観こそが本作のテーマ。生まれながらの捕われの身だからこそ、この世の中をきれいにしたい。義にかられ、事件を起こしながらも町の誰もが愛してやまない祖父の姿を孫娘の視点から描く感動作。陰影に富む祖父グランパのキャラクターを菅原文太が好演。孫娘役の石原さとみも堂々とした演技を見せて将来性を感じさせる。
五代家の一人娘・珠子は中学一年生。珠子の日常に突然、ムショ帰りの祖父、五代謙三は入り込んできた。まるで長い旅から戻って来たかの様に謙三を温かく迎える商店街の人々。謙三が帰ってきてからというもの、珠子へのイジメがなくなり、不良グループによる校内暴力はおさまり、ギクシャクしていた両親の関係までが良くなっていく。正月、謙三はこっそりと計画して珠子とパーティーへ。見違えるように大人っぽくなったドレス姿の珠子。カウントダウンの大合唱の中、学校が、この町が、そして珠子自身が変わろうとしていた。ある日、天井裏から謙三が珠子を手招きする。そこには、札束のぎっしり詰ったトランクケースが・・・。それは、13年前、ヤクザから奪った金だった。金の行方を追って、町を牛耳る暴力団が動き出す。学校からの帰り道、珠子はさらわれ、廃屋に連れ込まれてしまうが、謙三と仲間たちが殴り込んで珠子を無事救出。穏やかな日々が五代家に戻って来たと思われた矢先、謙三は濁流で溺れる幼児を必死で助けあげ、自らは力尽きて命を落としてしまうのだった。