1948(昭和23年)/11/29公開 70分 モノクロ スタンダード 映倫番号:A376
配給:大映 製作:東横映画
月光城の一人娘、夕月姫に結婚を申し込む輩が後を立たず、たまりかねた姫は天文博士の慈円法師に自分の婿は誰かを占ってもらった。すると「館にある夜に咲くバラに触れた男が婿となる」という。その夜、夕月姫は豊年踊りの見物に出かけ、酔っ払いに絡まれてしまう。そこに二人の家来を引き連れ馬に乗った吉丸という若者が颯爽と現れ、姫を救出した。吉丸は姫の可憐さに一目ぼれし、窓の下のバラの花を折って姫に捧げようとしたが失敗してしまった。間もなく、名より人柄で選びたいという姫の意見で、「夕月姫の婿募集」の高札が立った。数多の婿候補から大月三郎、鷲尾の松麿、そして吉丸の三人が残り、それぞれ隠し芸を披露することに。吉丸の豊年踊りが大いに受け、つられて姫も踊り出すのを嫉妬した三郎と松麿は、吉丸を狂人扱いして追い立ててしまう。だがそんな三郎と松麿を嫌い、姫は自分のためにこの世で一番尊い宝を見つけてきたものを夫にすると伝える。この話を聞いた吉丸が慈円法師に宝のありかを尋ねると、法師は「タツミのほうに向かえ」と指し示す。家来を連れて旅に出た吉丸が見つけたのは、鬼の住処であった…。