1950(昭和25年)/11/3公開 109分 モノクロ スタンダード 映倫番号:258
配給:東京映画配給 製作:東横映画
一杯の飯を盗んだ罪で十九年間獄中生活を送り続けた岩吉は、大政奉還の大赦令により出獄を果たすが、世間の風は彼に冷たかった。再び悪に走りかけたとき、岩吉はミリエル司祭に救われ、司祭は彼に無限の愛を教えた。人々に忌み嫌われていた男は改心し、織機の操作を習得して遂には福岡県第三区長の松野栄一として更生に成功した。だが、昔の「岩吉」の名前で別人が重罪の裁判にかけられるものがいることを知った松野は、司祭の教えを思い出して自首することを決めた。だが彼は、お絹という女と、その娘小雪の存在が心残りだった。お絹に小雪を必ず救うと約束していた松野は、護送船の難破に乗じて脱出、無頼漢の長吉の魔手から小雪を救い出して、そのままどこかに姿を消していった…。