1954(昭和29年)/1/9公開 130分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1169
配給:東映 製作:東映
林不忘、谷譲次、牧逸馬の三つのペンネームを駆使した鬼才の筆による傑作恋愛小説を映画化。大都会の真ん中に咲いた四つの恋をめぐり、三人の女性と二人の男性が繰り広げる波乱極まりない悲劇の人生を描いた珠玉のメロドラマ。
元雄の乱交を知った中根社長は前途を憂い、元雄と暁子の結婚を許そうとしたが、元雄と蘭子の邪恋は清算されず、暁子に二人の痴態の現場を見られてしまう。だが元雄はそれに気付かず、二人の仲は急速に冷え込んでいく。喬太郎はそんな二人をいぶかしむ一方で、暁子への恋に期待を込め始めていく。暁子は就職することで失意から立ち直ろうとするが、暁子に多大な好意を抱いた外人バタスン夫妻が、彼女に白井という青年を紹介する。だがこの白井こそ、蘭子の昔の情人だった放蕩者であった。その素性を知る多美枝は危ういところで暁子を白井の魔の手から助けるのだが、喬太郎を恋するが故に喬太郎が恋する暁子を救わなければならない皮肉に寂しく笑う。ある日、暁子を劇場に誘った喬太郎は、そこで蘭子を連れ立った元雄と出会い、その無責任な言葉に激怒して元雄を殴ってしまう。翌日の新聞でこのことが掲載され、心を痛めた暁子は折りしもロンドン赴任の外交官高曾我部との縁談を承諾してしまう。喬太郎は寂しく故郷に帰ってしまうが、二人の誤解の原因を知る多美枝は喬太郎の故郷へと急行する。