1954(昭和29年)/5/10公開 92分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1361
配給:東映 製作:東映
烈刀呼んで鞘走るか!愛憎火焔の真っ只中に、起つは美剣士・鶴田浩二!文豪・吉川英治の代表傑作人気時代小説「鳴門秘帖」の映画化。謎の阿波!剣の阿波!悲願を込めた虚無僧剣法に絡むは恩愛、狂恋、憎悪…。江戸から禁断の地、阿波を背景に多彩な人物が乱れ咲く、内出好吉監督の波瀾万丈の傑作時代劇前篇。
阿波二十五万石の当主蜂須賀阿波守は、宝暦の変以来幕府に恨みを抱く竹屋三位卿を匿い、他国の一切の者の入国を禁じた。幕府は甲賀流隠密の頭領世阿弥を阿波に送るが消息不明となり、それから二年の歳月が流れた。幕府大番頭の息子である法月弦之丞は、世阿弥の娘千絵と恋仲だったが、隠密の厳しい因習のために結ばれぬ身を嘆き消息を絶ってしまう。千絵の悲嘆を見かねた乳兄弟の唐草の銀五郎は弦之丞を探しに旅立つも逆に弦之丞に危難を救われ、弦之丞は江戸に帰ってきた。だが千絵は墨屋敷から姿を消し、世阿弥救出のために家を捨て隠密となって阿波入国を決意し、将軍家治から探索を命じられた。一方の銀五郎は謎の浪人者お十夜孫兵衛に斬られるも、辛くも阿波藩下屋敷のお船手方森啓之助に船切手を貰う手はずを整えた。女スリの見返りお綱は嘗て助けられた弦之丞に好意を抱くが、孫兵衛もお綱にしつこく言い寄っていた。啓之助の誘いに応じて弦之丞と共に料亭川長に赴いた銀五郎だったが、啓之助に騙され阿波藩の天堂一角らに切り殺され、弦之丞も危機一髪のところをお綱の機転に助けられた。お綱は弦之丞から千絵の事を聞き、博奕仲間の旅川周馬に疑惑の目を向け、千絵が周馬のために墨屋敷に閉じ込められていることを突き止める。地下室で千絵を探し当てたお綱は、屋敷に火をつけ千絵と脱出を図るのだが…。
「鳴門秘帖」シリーズ(4)