1954(昭和29年)/6/22公開 101分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1367
配給:東映 製作:東映
竹田敏彦の小説「燃ゆる乳房」を映画化。星美智子と松島トモ子が演じる薄幸の母娘の受難の半生を、全篇に流れる天津羽衣の美声で彩る浪曲母映画の珠玉篇。
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昭和二十三年ごろ。房州で元海軍中佐の父と共に暮らしていた登美子は、網本の息子・晴吉を慕って東京へと走った。だが、移り気な晴吉の心は既に登美子から離れ、晴吉の子を身ごもったまま登美子は捨てられた。上野で与太者の鉄に拾われた登美子だったが、いかがわしい飲食店に連れ込まれ体を売ることを強要される。しかし、亭主の激しい折檻に耐える登美子を見た鉄は良心を呼び起こして、登美子と共に逃走。登美子は再び晴吉を訪ねるが、彼は既に引っ越した後であった。鉄の妹・絹子のもとに身を寄せた登美子だが、出産費用もままならぬとあって、父・忠之に故郷に連れ戻された。間もなく娘・トシ子を出産したものの、世間体をはばかる父によりトシ子は他人に渡されてしまう。そして失意の登美子のもとに晴吉の破廉恥な結婚式の話が届き、理性を失った登美子は晴吉の家に放火、晴吉は死に、登美子は五年の刑を宣告された。やがて月日は流れ、服役して我が家に戻ってきた登美子。だが、父は既に亡くなり、登美子は唯一の心のよりどころであるトシ子を探しに旅立つ。そのトシ子は貰われた潮来の「あやめ館」で、女主人の八重に実子が生まれたために辛い日々を送っていた。ようやく登美子が居場所を突き止め「あやめ館」に辿り着くも、トシ子はドサ廻りの旅芝居一座に渡された後であった。東京に出た失意の登美子は、与太者から足を洗った鉄こと鉄夫と絹子と再会するのだが…。