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暗黒街の脱走 

1954(昭和29年)/8/17公開 76分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1427 
配給:東映 製作:東映

大都会に巣食う街を舞台に、憂愁の一青年と淪落の女が奇しくもたどる運命の恋路を軸に、憎悪と暴力に彩られた死の逃避行を描いたギャング映画。

暗黒街の脱走 
(C)東映

ストーリー

今から一月前に、冴子はバイオリンを弾き鳴らす落魄の青年謙二と出会った。華麗な衣装を身にまとうモデルの冴子は、心の中で謙二を嘲笑しつつも、その澄んだ瞳を忘れることができなかった。そして一月が経ち、ナイトクラブの片隅で、求婚者羽鳥の執拗な勧誘から逃れるために、冴子は再び出会った謙二にすがり、体を預ける。その夜、謙二は嘗ての戦友であった西沢とも再会した。警官に追われていた西沢は、怪しい紙箱を謙二に預け、明日の再会を約束して消えていく。翌日、その紙箱を西沢に返した謙二だったが、紙箱は西沢から冴子、そして運命のいたずらか、謙二を慕う春江という女性を経由して、堅持のもとに戻ってきた。紙箱の中身はドル紙幣の束。事情を知り、冴子に紙箱を返そうとする謙二だが、彼女の影には麻薬売買で財を成した大島という男がいた。逃れたくても逃れられない自分の境遇からか、冴子は心とは裏腹に謙二を冷たく突き放す。金を得るために、謙二は西沢の手先として密輸団に強力する。冴子の歓心を買うためのその行動だったが、誤って警官を射殺してしまう悲劇を引き起こす。冴子はここでようやく謙二への純愛に気付き、護送車から脱走してきた謙二と、自分の危機を悟った大島と共に、愛欲をはさんだ三人の男女は暗黒街からの逃避行を始める…。

暗黒街の脱走 
(C)東映
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