1954(昭和29年)/9/14公開 111分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1466
配給:東映 製作:東映
尾崎士郎原作「人生劇場」を映画化した戦後篇。吉良常亡き後の三州吉良港を舞台に、終戦直後の混乱を背景とし、昔気質の任侠の世界と新興暴力団との抗争を中心にして雄渾の情熱と侠気、愛と望郷の哀歓が交差する人生波乱を描いた感動作。
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終戦の痛手にいまだ喘ぐ昭和二十一年。青成瓢吉の故郷・三州吉良港には、既に任侠の気風は失われ果てていた。吉良常も今は亡く、足助一家も老残の影に等しい。ただ、混乱に乗じた新興勢力のYS連盟が暴利を漁り暴力を振るって、急激にのし上がってきていた。呑み込みの半助は老いて連盟の暴威を吉良常の墓前で嘆き、飛車角とその子分宮川の前から消えたおとよも、同じ墓前で額づく。そんなある日、八幡宮の祭礼の日に、村娘の加代をYS連盟の暴威から救った青年・谷口とその友人の赤井と満川達の義侠から、不良勢力に対する抗争が渦巻き始める。連盟の反撃にあった谷口の復讐を誓い、連盟員を不意打ちした赤井たち。だが連盟側の吉良全村をも焼き討ちしかねない勢いに、赤井は足助親分に協力を求める。足助一家とYS連盟の全面抗争の気運が高まるなか、足助の家に嘗ての飛車角の弟分・宮川が戻ってきた。彼を頼りに連盟との果たし状に立ち向かうのだが、連盟は卑怯にも一家の勢揃いを暴力主義だと警察に訴え、新聞も巻き込んだ批判の攻撃を加える。宮川は東京・浅草に走り、侠客立花半兵衛と瓢吉の元を訪れ助けを請う。足助一家の勢揃いの口実を、吉良の仁吉の比翼塚を建立するための儀式に求めた瓢吉だったが、吉良の人々は比翼塚建立に反対し、足助一家の情勢は好転しない…。
「人生劇場」シリーズ(8)