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悪の愉しさ 

In Bad Company

1954(昭和29年)/10/5公開 112分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1493 
配給:東映 製作:東映

現代の身動きならない社会の重圧に歪められた人間性と道徳を追究し、一人の凡庸なサラリーマンが選んだ悪徳と愉楽の世界の悲劇を描き、現代人の不安と現実の汚濁を抉り出した社会派ドラマ。

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ストーリー

東亜製鋼の株式課に勤める中根玄二郎は、平凡なサラリーマンを演じながら、内心では計算を駆使して相手を思うがままに操る事に密かな愉しみを感じていた。同僚の亀山と競輪に行ったときも、八千円もの大金を巧みに巻き上げていた。彼には妻の有貴子と産まれたばかりの娘がいたが、本性を知らない夫の無能さに軽蔑しつつ、大家の未亡人沢本から部屋を追い立てられて嫉妬したりしていた。中根の中に残っている真心は、事務員植松康代に対する恋情だけ。かつて一度だけ結ばれたことのある二人だったが、康代が課長の池田と結婚すると聞いた時、昔の関係を使って康代を陥れようと考え始めていた。だが康代は先んじて中根に手切れ金を渡し、中根は康代に対する執着を強めていく。一方で自らの悪徳の欲望を満たすように、沢本未亡人や亀山の妻を征服していった。しかし、有貴子と不動産ブローカーの脇坂が接近していることを悟り、脇坂に対する憎悪が燃え上がっていった。そんな時、康代は夫となった池田が会社の金を使い込んでいたことを知り、金策に苦しんで中根を訪ねてきた。康代の愛情と体を求めた中根は、遂に脇坂に手をかけることを決意する…。

悪の愉しさ 
(C)東映
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