1955(昭和30年)/4/26公開 90分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1789
配給:東映 製作:東映
絢爛たる大江戸情緒を背景に、旗本と町奴の対立、その中に展開する男と男の友情、夫婦の愛情、そして若い不運な恋など、激しい卍巴の葛藤渦巻く娯楽時代劇。
花のお江戸で男を売る町奴の次郎吉は、子供の頃に酔いどれ浪人の狼藉で右手に三日月の刀傷があり、そこから「三日月次郎吉」と呼ばれていた。そのこともあってか、旗本と常に対立していた次郎吉は、せきれい組の頭領駒井主水正を親の仇と狙う業平小僧の新助を助け、彼の手助けを行うことに。吉原揚屋町・扇屋の白玉と二世を誓った仲だったのだが、駒井も白玉の美貌を狙っていたのだ。次郎吉は弟分の文七と清吉と共に新助の悲願成就を助けるが、鳥羽玉の八幡境内で次郎吉の白刃を抑えたのは北町奉行の土屋越前守だった。旗本と町奴の対立が激しくなり、一触即発の状況が続く中、大川端船宿の女将小きんを尋ねた駒井は酔っ払って、次郎吉の女房おきぬこそ、小きんと駒井の間に生まれた娘だと口を滑らせてしまう。図らずもこの話を聞いた文七は最初は次郎吉に内緒にしていたが結局ばれてしまい、次郎吉は涙をこらえておきぬに離縁状をつきつける。次郎吉のそんな光景を見た新助は一人一家を抜け出て扇屋の門をくぐるが、吉原土手に駒井の戻り駕籠が現れたことを知り斬り込んでいく。追いかける白玉を駒井の一味松浦や三枝らが斬殺し、新助は駒井の一味に捕らわれた。遂に次郎吉が駒井の家に殴りこみ、文七、清吉と共に阿修羅の如く暴れまわる!