1955(昭和30年)/11/22公開 75分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2017
配給:東映 製作:東映
中村錦之助が久々の若衆姿で活躍する痛快時代劇。相馬家六万石のお家横領事件に捲きこまれた御落胤の美剣士・柳太郎が、悪虐無惨の陰謀と対抗する。
相馬家六万石の家中では、当主・重胤の重病につけ込み、江戸家老・外村伝右衛門を頭とする陰謀一派が、御家横領に狂奔していた。重胤の御落胤・柳太郎を人知れず処分し、御落胤の証拠となるお墨付きを奪って、自分の妾腹の子・新之助を相馬家の世継ぎに仕立てようというのだ。江戸は神田明神、夜の境内にて、早速伝右衛門配下の刺客が柳太郎を襲撃する。だが吹き矢の名手で柳太郎の叔父に当たる義賊の蜘蛛六が加勢し、柳太郎は刺客を撃退した。同じ頃、柳太郎の居所であった日満寺も刺客の襲撃を受け、日海和尚は斬られ、お墨付きを隠したと思われる仏像も奪われていた。だが、駆けつけた柳太郎に和尚は、奪われた仏像は偽物で、本物は国元の日念和尚が持っていることを言い残してこと切れた。柳太郎はその夜、日満寺の門前で見かけた白頭巾の男が日海和尚の仇だと思い込み後を追うが、この男こそ重胤の親友であり、時の大目付・榊原主計頭の影武者であった左文字内匠だった。伝右衛門一派は計略をめぐらし、富士見稲荷に柳太郎と左文字をおびき出して対立を促し、その隙に柳太郎の殺害を企む。柳太郎は左文字との乱闘中に伝右衛門の短銃に撃たれて崖下に転落してしまうが…。