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白扇 みだれ黒髪

White Fan

1956(昭和31年)/3/15公開 85分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2141 
配給:東映 製作:東映

「東海道四谷怪談」を基に、爛熟の江戸文化の陰で強烈な欲望に酔い痴れながら、酷薄無残な社会に悲愴な抵抗を続ける青年武士の姿を描く。

白扇 みだれ黒髪
(C)東映

ストーリー

文政八年。江戸最大の山王祭で賑わう中、中村座の金主・大久保今助の財布を掏ったスリの徳を若い侍が呼び止めた。青白い頬に冷たい笑いを浮かべる若侍の殺気に、徳は財布を取り上げられ逃げていった。江戸随一の芝居小屋・中村屋でしょげている今助のもとに、先ほどの若侍が現れたが、侍は財布を取り戻したことに恩を着せて今助を強請ってきた。若侍・田宮伊右衛門は大金をせしめて帰っていく。その後姿を見ながら、三世菊五郎は、横にいた四世鶴屋南北に、あの化物侍のことを物語にしないかと頼んでみる。最初は気乗りしなかったものの、南北は、今助に誘われた水茶屋に伊右衛門がいると知り、会ってみる事にした。伊右衛門は以和という妻がありながら、妻の妹・以志と愛し合っていた。武家の掟で結ばれなかった二人は、水茶屋で逢瀬を繰り返してきたのだ。ある夜、伊右衛門は辻斬りで得た金を元に、隣家の貪欲な喜兵衛から堺屋利兵衛の密貿易の話を聞きだし、利兵衛を脅して百両を巻き上げた。伊右衛門はその金を使って、以志の勤める松平藩・鶴姫一行の河原崎屋総見を頼む。以志の肩身を広くして、逢瀬の数を増やそうという、伊右衛門の心やりであったのだ。元々清廉潔白過ぎたゆえに賄賂が横行する侍社会に夢破れ、落ちぶれていったことを、南北は知り、益々伊右衛門に興味を抱いていくのだが…。

白扇 みだれ黒髪
(C)東映
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