1956(昭和31年)/4/25公開 82分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2260
配給:東映 製作:東映
片岡千恵蔵主演の金田一耕助シリーズ。兵庫の山奥に怪奇な伝承を秘めて佇む三つ首塔と、十億円の遺産相続をめぐる連続殺人事件との奇怪な交錯の中で、金田一探偵と助手の白木静子が恐怖の謎を解き明かす。
数十年前、神戸の山里で殺人事件が起きた。犯人の佐竹玄蔵はアメリカに逃亡し、そこで巨富の財を築いたが、殺人の罪は親友の高頭省三に被せられ、省三は処刑された。日本に戻ってきた玄蔵は省三の霊を慰めるために三つ首塔を建立し、アメリカに戻っていった。そして現在。玄蔵が他界し、十億円の遺産の行方に注目が集まった。玄蔵の遺言では文学博士・上杉欣吾の姪である宮本音禰が相続人となっていたが、その条件は高頭省三の孫・俊作と音禰が結婚することであり、それが叶えられない場合は遺産は血縁者で分配されるという。だが、肝心の俊作に関しては誰も心当たりが無かった。そんな中、上杉博士の還暦祝いパーティーで殺人事件が発生。被害者は上杉の遠縁の娘・原操と、片腕に「おとねしゅんさく」の刺青をした謎の青年。警察はこの青年こそ高頭俊作ではないかと推測するが、私立探偵・金田一耕助は、助手の白木と共に内偵を始める。俊作が死ねば遺産相続は血縁者に分配される。遺言書を管理する黒木弁護士はその血縁者を集めるのだが、一同が集まった黒川邸で第三の殺人事件が発生、そして、謎の青年・堀井敬三を追いかけた金田一が行方不明となり、そして音禰自身も姿を消してしまった…。