1956(昭和31年)/10/31公開 86分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2488
配給:東映 製作:東映
日本プロレス界の始祖・力道山を主演に、心温まる人間模様と、四角いリングで力と技が炸裂する痛快プロレス巨編。昔の恩義を楯に一儲けを企む地方代議士の悪事を見破った力道山が、レスラーとしての正義と誇りを守るため、そして前向きに生きようとする体の不自由な子供たちのため、来日した悪役レスラーハンス・メッガー相手に手に汗にぎる壮絶ファイトを展開する!力道山のはじめ、九州山、藤田山など当時人気のあったプロレスラーたちが出演しているのも見どころの一つ。
「レッド・ドラゴン」の異名をとるハンス・メッガーとの世紀の一戦が迫る中、力道山は蔵前国技館でプロレス教室を開き、子供たちにプロレスを教えていた。控え室に戻ってみると、薄汚れた少年・貫一が捕まっていた。マスコットの小型チャンピオンベルトを盗み出そうとしていたという。力道山が訳を尋ねると、貫一は泣きながら、力道山のファンだけど小児麻痺で外に出れない友達のアキちゃんのために、持って帰ってやろうと思ったという。力道山は早速貫一と一緒に晃のいるバラックを訪れ、病気に負けるなと励ます。だが、そこに帰って来た姉の悦子から、弟をなぶりものにしていると勘違いされ、冷たい目を向けられてしまう。しかし力道山の言葉で晃は血のにじむような練習を繰り返し、その気持ちを知った悦子は反省するのだった。一方、力道山の人気に目をつけた彦浜市のボス・赤岩は民友党の大橋代議士に頼んで一興業打とうと企む。恩のある大橋からの頼みから彦浜での興業を受ける力道山だったが、歓迎会での赤岩の八百長発言に怒り席を立つ。宿舎へ戻る途中、力道山は愚連隊に襲われた米川老人を救う。老人の経営する小児麻痺学校の愛光学院が赤岩たちに食い物にされたことを知った力道山は、ファイトマネーを学院に全額寄付した。だが、赤岩と大橋はこの興業に味を占め、レッド・ドラゴンとの大一番にも絡もうとしてきた…。