1957(昭和32年)/2/12公開 86分 モノクロ スタンダード 映倫番号:10023
配給:東映 製作:東映
頃は天保、水野越前守の御落胤・早水東吾が江戸へ出世の剣難女難旅。悪の元締め奸商天草屋をこらしめて、天下御免の大暴れをする青春篇。
遠州浜松の浪人・早水東吾。天にはしごをかけ、時の老中と対等に口が効ける男になりたいと青雲の志に燃えて江戸へ向かっていた。東吾には道連れがあった。盗賊の埋蔵金を探す商売の拾吉、深川蕎麦屋の娘で両替商の内儀お美乃の保養先を見舞って帰るお袖の2人だ。道中、宗十郎頭巾の刺客に襲われている武家娘・千鳥を救ったことで東吾は奇しくも複雑な事件に巻き込まれていく。千鳥が小田原宿で落ち合うはずだった父・松浦石見守は殺されていた。松浦石見守の後妻・萩江の父・石垣綱右衛門が天草屋と結託し、その財力で得た権力で悪事の限りを尽くし、あまつさえ天草屋が萩江と通じて石見守に刺客を放ったのだ。暗殺者の顔を見た石見守の用人も手裏剣で惨殺された。東吾は天草屋を倒すことを決意。途中、前に千鳥を襲った宗十郎頭巾に襲われるが、東吾の必殺技とお袖の機転で難を逃れ、宗十郎頭巾が天草屋の部下・桜井浪右衛門とわかる。東吾らは執拗な刺客から逃れるため、千鳥を大奥納入の炭俵に隠して江戸へ入った。東吾と拾吉はお袖の家に転がり込み、千鳥はお美乃にかくまわれた。しかし、お美乃に脅迫状が届く。天草屋の策略によってお美乃の主人・和泉屋九郎衛門が人質にとられ、十万両の身代金を要求されたのだ。千鳥はけなげにも単身天草屋へ乗り込もうとし、これを追う東吾は自分の気持ちに気づくのだった。さらに物語は複雑に絡み、意外な人の正体も明らかになる・・・。