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雨の花笠

1957（昭和32年）/3/20公開　73分　モノクロ　スタンダード　映倫番号：10112　
配給：東映　製作：東映

ふとした争いから人を斬って旅を流れる峠の新太郎が、ゆきずりの姉妹を助けて悪貸元を向うに廻し、一本刀の封印を切る。島倉・松島の唄で包む股旅哀愁篇。

ストーリー

野州岡部の宿近く、折から祭礼の雑踏の中で旅の姉妹お初と新坊の難儀をすっぽん権蔵の手から助けてやった旅人、峠の新太郎は素性を明かせば江戸の料亭の一人息子。ふとした争いから人を斬って罪に追われ流れ込んだやくざの道を四年さすらうはぐれ鴉。一目会いたい母の面影に誓った長脇差の封印、江戸を離れてまだ手をつけぬ五十両の路銀をそのまま持って、綺麗な体でもう一度江戸へ帰りたい新太郎。道中、侍くずれの源六が操るお粂は五十両を狙ったが、新太郎の清い眼に手も出せず女心をときめかす。姉のお初と行きはぐれた新坊を宿場外れの街道で拾った新太郎は、お初の姿を求めて峠を上る。お初の唄声がやっと聞こえ三人で旅を続ける。博打好きの父親がイカサマ賽にひっかかって斬られ、母のお勝は悪貸元・鹿沼の鉄造に連れ去られ行方知れないと聞いた新太郎は、きっとお勝を助けてやると姉妹に誓った。源六と手を切ったお粂が追ってきた。鉄造は代官所を抱え込んで村人を集めてはイカサマ賽の金儲け。新太郎は賭場へ踏み込んでイカサマを素っ破ぬくが封印長脇差の一人身ではお勝を救う事もできない。しかし意を決した新太郎は再び鉄造の家へ乗り込んだ。お粂が鉄造の女房をしばってお勝を救い出したと同時に、意外にも姉妹がいつかの源六に引き立てられてきた。そしてお粂は彼の刃に倒れる。そこへ日頃の憤懣を爆発させた村人たちが押し寄せて来るが・・・。