1957(昭和32年)/5/12公開 64分 モノクロ スタンダード 映倫番号:10156
配給:東映 製作:東映
風雲急な江戸八百八町に乗り込んだ鞍馬天狗と勤皇の旗印を掲げて跳梁する御用刀の乱刃、動乱におどる奸商をめぐって展開する痛快無頼な剣戟篇。
幕府は既に大政奉還と決していたが、松平主税之介を筆頭とする過激派がこれを快しとせず薩長勢と対立していた。折も折、薩摩藩の御用盗と称して江戸市中を荒し廻る一団を指揮する為に京の鞍馬天狗が江戸に入るとの報に過激派は色めき立った。この頃、柳橋の待合の一室で戦争商人・西国屋紋兵衛が界隈一の売れっ妓・粂次姉さんを口説いていたが、彼女には他に死ぬ程惚れた人がいた。いつか川崎大師に詣でた時にぶつかった危難を救ってくれ名も告げずに立去った男、彼こそ鞍馬天狗であった。一方、御用盗は江戸の秩序を乱し幕府の威光を下げようという目的であったが、今一歩で誘いに乗らない幕府の態度に業をにやし、江戸市中を一気に火の海にせんと気勢をあげているところへ鞍馬天狗が現われ一同をなだめた。江戸に姿を現わした鞍馬天狗は杉作少年が彼の身を案じ、単身探しに出かけたまま伝馬町の牢に捕われている事を知り、敢然群敵をなぎ倒し救い出し、捕手に追われ乞食姿に扮したところに、偶然粂次と出会い、大喜びの彼女のもてなしを受けた。その時、待合の女将に案内されて彼女の家に松平主税之介、西国屋紋兵衛がやって来た。突嗟に鞍馬天狗は押し入れに身を潜めたが、そこで幕府が薩長と戦う武器弾薬をオロシヤから買入れて、その代償に蝦夷の港を与えようとしている事を聞き愕然とした。紋兵衛と火薬取引の為に松平下屋敷に行った主税之介を追った鞍馬天狗が発見したものは・・・。
「鞍馬天狗」シリーズ(8)