1957(昭和32年)/8/28公開 89分 モノクロ シネスコ 映倫番号:10258
配給:東映 製作:東映
炸烈する拳闘シーンを背景に、田舎出の二人の若者の命をかけた友情と、飽くなき欲望、清純な恋などを描いたボクシング映画の決定版。
故郷を飛び出し、ボクシングチャンピオンを目指して上京した早田と親友の牛島。だが世間の風は冷たく、今は生活苦に喘いでいた。早田は、モグリのダフ屋などでかろうじて生計を立てながら、田村拳闘クラブへの入会を願って何度も押しかけていた。今日もオーナーの田村を早田が口説いていた最中、酔っ払ったクラブの選手・森山が、一緒についてきた牛島に絡んできた。だが、牛島は森山を一撃でKOしてしまう。牛島のパンチに惚れこんだ田村はその晩、森山が出るはずだった試合に急遽牛島を出場させ、代わりに闘った牛島は対戦相手を倒してしまった。早田は自分がチャンピオンになる道を捨て、牛島のマネージャーとして一儲けすることにした。善良でボクサーになることを嫌がる牛島は早田の悪知恵で説き伏せられ、次々と勝利していく。やがて牛島の契約期間の終了が迫ってきた。牛島は呑み屋「金波」で働くみち子のことを愛していて、そのまま契約を延長せずに引退してみち子と暮らしたいと思っていた。だが、早田は強引に再契約を行い、みち子を田舎に追い返してしまう。牛島が追いかけるも、既にみち子は父親が選んだ結婚相手と結納を済ませた後だった。失意を怒りに変えた牛島は、人が変わったようなラフファイトで相手を倒していく。だが、早田の悪知恵も発覚して信頼は地に落ち、牛島はライバルの西崎拳闘クラブに移籍してしまった・・・。