1957(昭和32年)/9/8公開 57分 モノクロ スタンダード 映倫番号:10319
配給:東映 製作:東映
ふとした事から可愛い少女を助手にしたオンボロトラックの運チャンが、恋に憂き身をやつしている時に、突如起った強盗追跡事件、スリルと笑いのうちにメデタく強盗を逮捕する物語。
葡萄の房がたわわに実る甲州・勝沼。ぶどう園を営む藤岡家の老主人・杉造のもとに、娘の敏江がやってきた。夫の病気で金に困り、父を頼って戻ってきた敏江とその娘のヨシコだったが、自分に背いて好きな男と駆け落ちした敏江を杉造はいまだ許さず、冷たく追い返す。せめてヨシコだけでもと、娘に杉造宛の手紙を持たせて杉造を訪ねさせる。杉造も可愛い孫娘の事は気にかかってはいたが、ヨシコは女中達に追い返されてしまう。途方にくれて駅へ向かうヨシコはひょんなことから運送店「甲州屋」の木野君と出会い、彼のつてで甲州屋の源助オヤジの元に置いてもらうことに。だが甲州屋の持つオンボロトラックでは商売敵の新大和運送の新型車にかなわず、杉造からの仕事も取られてしまった。木野が思いを寄せる朝日屋食堂の看板娘・お菊ちゃんにも、新大和運送の中津が積極的に言い寄ってるが、お菊ちゃんは誘いには乗ってないようす。焦った木野君はお菊ちゃんにコンパクトをプレゼントして、ついにお菊ちゃんから葡萄祭りのお誘いを受ける。祭りの当日、お菊ちゃんとヨシコの歌声が響く。その光景を見つめる杉造は、ヨシコを引き取る決心をするが、ヨシコは杉造をまだ恨んで逃げた。一方お菊ちゃんも中津の「ヨシコは木野の娘」という根拠のない中傷を真に受け、コンパクトをつき返してしまう。ある日、杉造の葡萄を東京に運ぶ仕事を請けた両社。だがそこに指名手配の強盗が転がり込んできて…。