1957(昭和32年)/9/15公開 66分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10332
配給:東映 製作:東映
野に下った扇藩三万八千石の若殿さまが、悪政に苦しむ町人達を見て、天狗に姿を変え、天に代って悪を誌するという千代之介颯爽のやくざ剣法。
扇藩・三万八千石の城下町。料亭亀屋の板前・新助が相棒の仙太や米公たちと朝の仕入れを終えた帰り道、藩の勘定役平野宗弘が扇屋の娘おきよを斬り捨てる現場に出くわした。扇藩は藩主米春公の病弱をいいことに、譜代の重臣たちを追放した鯛沢善兵衛一味が暴政の限りを尽くしていた。そして一味と結託する豪商・糸屋万兵衛は亀屋の娘・お勝を自分の倅・糸次郎の嫁にしようと企んでいた。そのお勝は新助に惚れていたが、肝心の新助は昔の悪い癖が現れて、賭博を始めた様子だ。その頃、「世直し天狗」と名乗る、天狗面を被った黒装束の男が出没し、鯛沢一味が次々襲撃される事件が起きていた。「世直し天狗」の話題は城中にも飛び、月姫さまはこの天狗こそ、15年前に出奔した腹違いの兄・三之介さまではないかと目を輝かせる。その一方で鯛沢は、危険が自分の身に降りかかることに怯え、米春公を毒殺して月姫と自分の倅彦之進との縁談を強引にまとめようと、当の彦之進の反対も聞かずに動き出した。さて新助は自分の不注意で大切な金を盗まれ、その埋め合わせの為にと賭博場に入り浸るようになった。そんな新助に気をもむお福。だがそのお福に横恋慕していた岡本が、仲間と共にお福を浚ってしまう。だがすぐに世直し天狗が現れ、お福を救出する。その頃、城内では天狗を捕らえるための計画が練られていた…。