1958(昭和33年)/1/9公開 69分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10464
配給:東映 製作:東映
百蛇の宝剣と百蟹の絵巻、その二つの宝物をめぐって入り乱れる忍術と妖術。東千代之介が総天然色・大型スクリーン狭しと暴れまくる健全娯楽時代劇。
夜な夜な稲妻道人という怪人に首を締め付けられる悪夢に苦しんでいた将軍義種は、都中の陰陽師を集めて祈祷を行ったところ、義種が今もっている百蛇の宝剣と、安芸の国・衛守の左衛門が所有する百蟹の絵巻があれば妖術は破れるという。早速義種は安芸の国に使者・頼豪院を送る。頼豪院を迎えた左衛門は息子の右馬之介に絵巻を託し、由来を話し始めた。この絵巻は20年前に隣国の白井縫殿助にだまし討ちされた三好元長より預かったものだという。左衛門は右馬之介に三好家の遺児を探し出し、三好再興を将軍に願うことを言いつけた。一方、衛守を狙っていた白井縫殿助は、右馬之介が京に立ったことを知り、今こそ衛守を手に入れんと動き始めた。南無兵衛と鹿蔵を引き連れて、右馬之介が頼豪院と共に山道に差し掛かった頃、突如刺客達が斬り込んできた。頼豪院は縫殿助と組んで右馬之介を亡き者にしようと計ったのだ。だが刺客たちを蹴散らしたとたん、頼豪院は黒雲に乗ってやってきた稲妻道人と共に消えてしまった。とある盛り場にたどり着いた一行は掛小屋に入り、水干姿で踊る桂の美しさに魅せられた。寝床に入っても桂の姿が忘れられずにいると、飛び込んできた一匹の蛾が桂の顔に見えてきた。せむしの虎市の呪術に落ちた右馬之介だったが、大蛇が百蟹の絵巻を奪い取ろうとしたとき、右馬之介は九字を切って巻物を取り戻す。だがその時、稲妻道人が右馬之介の前に姿を現した…。