1958(昭和33年)/10/8公開 60分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10816
配給:東映 製作:東映
密輸と暴力の渦巻く港町に飄然と現れた熱血のマドロスが、町の悪ボス相手に鉄拳の嵐を浴びせるという物語を、南廣の熱演に三波春夫の唄を加えて贈る活劇篇。
或る港町、一台のトラックが赤倉組の事務所の前に止まった。その積荷の中には秋葉次郎という青年が乗っていた。次郎は形見の指輪を頼りに、生き別れた母を尋ねて探し回っていた。赤倉組はこの港町の善良な市民を脅かしていたが、次郎は赤倉組一味に真っ向から立ち向かう。しかし、昔馴染みの柴田の仲裁に合い、次郎も赤倉組の一味に迎え入れられてしまう。次郎はバーなぎさで赤倉と酒盃を交わすが、赤倉から命令された密輸取引を拒否し赤倉の怒りを買う。一方、赤倉組の盃を貰う太田保雄は、母一人子一人という貧しい暮らしの青年で、バーなぎさの波川の妹の早苗と相愛の中であった。赤倉は密輸の秘密を知った次郎を殺そうと、次郎と早苗の仲にありもせぬ濡れ衣を作り、保雄の嫉妬を煽った。しかし、保雄は次郎の敵ではなかった。次郎は逆に保雄とその母の八重子の境遇に自分を重ね合わせ、深い哀れみを感じるようになった。次郎は保雄の母に何故か、忘れ得ぬ面影を刻んだ。八重子こそ次郎にとっても探していた母親だったのだ。何も知らない保雄は執拗に次郎を狙う。保雄は次郎を拳銃で追い詰め、次郎を撃とうとするが、そこへ早苗が駆けつけて、次郎が兄であることを保雄に告げた。早苗は次郎が持っていた古い写真から全ての事情を知ったのである。そんなとき、次郎は保雄と早苗の幸福と引き換えに、赤倉の密輸船春日丸に乗ることになった。赤倉は次郎抹殺を企み罠を仕掛けるが・・・