1958(昭和33年)/11/19公開 81分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10905
配給:東映 製作:東映
不幸な環境に育った一人の不良少年に十七年ぶりにめぐりあった母親が、強い愛情をもって、やくざ一味からわが子を救い出すという、美しくも清らかな物語。
その手腕と才能を生かした斬新なアイデアで服飾界を驚嘆させ続ける女流デザイナー・山内つる代。彼女には決して消えることのない哀しい過去があった。17年前、つる代は外交官の戸田のもとに嫁いで渡米、真一という愛息が生まれた直後に戦争が始まり、最後の交換船には夫と真一だけが乗り込み、離れ離れになってしまったのだ。そんな中、「新作発表会」が成功した直後の記者団との会見で、衝撃の事実を聞かされた。真一は生きていた。少年刑務所で5年の刑に服しているというのだ。つる代は戸田の元を訪ねたが、彼は後妻と暮らし、真一のことには触れようともしなかった。そんな父への不信と後妻への反発から、真一は不良の仲間入りをしてしまったのだ。まもなく真一は出所し、つる代が身柄を引き取った。つる代の愛情に戸惑いながらも、少しずつ素直さを取り戻していく。だが、とある喧嘩沙汰を起こしたことで暴力団員の勝山に目をつけられ、再びやくざ仲間と交際を始めてしまう。そんなある日、真一はレストランに勤めるかおりという女性と知り合い、二人は急速に惹かれていった。かおりの為にやくざ仲間から足を洗おうとする真一だったが、勝山がそれを認めるはずがなかった…。