1959(昭和34年)/4/28公開 107分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11098
配給:東映 製作:東映
青白く燃え上る剣の殺気。無明の闇に血を求めてさまよう盲目の剣鬼机龍之助を招くものは風でもない、人でもない、血にまみれたお浜の死霊か郁太郎の泣き声か…。
駒井能登守に私怨を抱く神尾主膳に拾われ、暗殺の命を受ける龍之介。その行く手を遮る宇都木兵馬。龍之介は、能登守を斬らず、また兵馬との戦いも避けて、道行きで知り合った妖しくも美しい女・お銀を伴い、街道を彷徨する。その道連れは、これまで龍之介が殺めた者たちの怨嗟の声が響いていた。いつの間にやら、豪雨で荒れ狂う笛吹川へと導かれるように辿り着く龍之介。その激流は気が付けば、血潮の激流へと変貌しており、その流れに引き込まれるように水中へと呑み込まれていく龍之介。それを追う兵馬。ただそこには、人間の力を超えた大きな宿命ともいうべき力が存在しているかのようであった…。そして、彼方には彼らを見下ろすかのように大菩薩の山稜が聳えている。