1959(昭和34年)/5/5公開 66分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11225
配給:東映 製作:東映
青少年と少女をまじえた一グループの恐るべき現金輸送車強盗殺人事件。中流家庭の安易さにあき、唯スリルを求め理由なき犯罪を犯す傷だらけの青春にメスを入れた異色作品。
競艇場の現金輸送車が襲われ、現金の入った木箱が盗まれた。犯人は安川誠、佐藤靖子、高村不二夫の家庭が裕福な二十代の若者である。仲間の一員で中本運送店の松山三郎はその現金の木箱を預かり、店の隅に隠した。同じ店員の吉村達治は不審にかられ、その木箱の中身の現金を目にした。達治は母を寝取った男を半殺しにして一年間服役していたが、今は権藤刑事のお陰で立派に更正しこの運送店で働いてた。この事件を捜査している権藤刑事はタイヤの跡を手がかりに、遂に中本運送店に聞き込みを開始した。捜査は強盗事件から殺人事件へと変わっていた。誠が昏倒させた新井巡査が死亡したのだ。誠は英雄気取りだったが、罪の恐怖におののいた。達治は三郎を自首させようと不二夫の家を訪れたが、不二夫と誠は焦燥にかられ酒にひたっていた。同じように靖子も不安にしめつけられた。三郎を思う達治は、三郎の姉道子と共に心をひとつに結んで奔走したが、いつか二人は美しい愛情にめばえていった。三郎には母と道子の貧しい生活を支える責任があったのだ。三郎の自首を防ごうとした不二夫と誠は三郎をおびき寄せ殺害しようとするが、格闘の末、逆に足を踏み外して誠は陸橋から転落した。誠を殺したとばかり思い込んだ三郎は狂気の如く走り去ってその夜から姿を消した。一方、不二夫は靖子の懇願で自首を決意する。その頃、警官に囲まれた三郎は野獣のように叫び続け猟銃を達治に向ける・・・